ホントのコイズミさん
ホントのコイズミさん
Cover art by KIGI

本を開けば、新しい世界への扉が開く。小泉今日子さんの傍らにはいつでも本がありました。
自ら「本」と「本に関わる人たち」に会いに行き、語らい、紡いでいく……。自分という旅路を歩む者たちの止まり木的存在が、ポッドキャスト番組「ホントのコイズミさん」です。

#120 は2023年9月18日(月)夜 配信開始

#110

大林宣彦監督が愛した映画たち!


今回のゲスト
森泉岳土さん マンガ家・イラストレーター。「水で描いた線の上に墨を落とし、水に墨を染み込ませて描画する」という技法で漫画・イラストレーションを制作。そのオリジナリティ溢れる作風で注目を集める。主な著作に『祈りと署名』『爪のようなもの・最後のフェリー その他の短篇』『アスリープ』など。2018年『報いは報い、罰は罰』、19年『セリー』で文化庁メディア芸術祭審査委員推薦作品選出。イラストレーターとして、書籍の装画、挿絵、映画やイベントのポスター、音楽CDジャケット等を数多く手掛けている。主な展覧会に、「カネコアツシ&森泉岳土二人展 “DOUBLE-HEADED”」(銀座三越ギャラリー、東京、2022)など。大林宣彦監督作品『花筐/HANAGATAMI』メインヴィジュアルなども手がける。

「ホントのコイズミさん」第110回。今回のゲストは引き続きマンガ家・イラストレーターの森泉岳土さんです。会話の始まりは、森泉さんが出版されたエッセー集『ぼくの大林宣彦クロニクル』のカバーに掲載された写真について。大林監督と、森泉さんが一緒に写っているショットです。これは一体どこなのでしょう? 意外にも尾道には一度も行ったことがないというコイズミさん。

コイズミさんが持っていた森泉さんの作品は『仄世界』と『フロイトの燃える少年の夢』。余計なものを描かず引き算を効かせた作品は、読み終わった後に、なにかを考えたくなるとコイズミさん。そんな森泉さんの作品には、純文学の影響があるそうです。もう1つ、マンガの作風に大きな影響を与えたのは、大林監督でした。作品ごとにガラリと作風を変える大林監督。そこから、話は大林監督の作品へと広がっていきます。

ふたりが今考えている社会の変化。若い人たちへの思い。いろいろなところに石を投げ、道をつくっていかなければいけないと考えているそうです。多様な生き方、それぞれの個性を尊重できる社会へ、ふたりが願いを伝えます。

『ぼくの大林宣彦クロニクル』大林宣彦監督の娘である大林千茱萸さんと結婚した森泉さんが書いたエッセー集。森泉さんが大林さんとの日々を綴り、温かくて、キュートなその姿を描き出しました。ここにしかない逸話もたくさん。

『仄世界』底知れない世界を生きる3人の女性の不可思議な運命を描く連作マンガ作品集。鉛筆の精緻なタッチと淡い色で描かれています。

『フロイトの燃える少年の夢』森泉さんが、フロイトに加え、エミリー・ブロンテ、ヘルマン・ヘッセ、ヴァージニア・ウルフ、ドストエフスキーら作家たちの夢をマンガ化するという、誰も挑戦したことのない作品。

【今回のお話に登場した作品】
書籍
『ぼくの大林宣彦クロニクル』著/森泉岳土(光文社)
『仄世界』著/森泉岳土(青土社)
『フロイトの燃える少年の夢』著/森泉岳土(河出書房新社)
『三四郎』著/夏目漱石

映画
『時をかける少女』監督/大林宣彦 脚本/剣持亘
『理由』監督/大林宣彦 脚本/大林宣彦、石森史郎
『この空の花 長岡花火物語』監督/大林宣彦 脚本/長谷川孝治、大林宣彦
『快盗ルビイ』監督・脚本/和田誠


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パーソナリティー | 小泉今日子
1982年「私の16才」で歌手デビュー。以後、「なんてったってアイドル」「学園天国」「あなたに会えてよかった」「優しい雨」など数々のヒットを放つ。女優として映画、舞台などの出演も多数。エッセイなど執筆家としても活躍中。2015年より自らが代表を務める株式会社明後日ではプロデューサーとして舞台制作を手掛ける。映像制作プロダクション新世界合同会社のメンバーでもあり、2020年8月28日公開の外山文治監督「ソワレ」にアソシエイトプロデューサーを務めた。
株式会社明後日 – asatte Inc.

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